はじめに
Googleの生成AI「Gemini」は高精度なテキスト生成が可能ですが、使用時のユーザーデータが学習に利用される可能性もあります。特に個人情報や機密情報を扱う場合、「Geminiに学習させない設定」を正しく行うことが重要です。本記事では、Gemini APIやウェブUIを利用する際にデータを学習に使わせないための具体的な方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
1. Geminiの学習に関する基本理解
1.1 Geminiはどんなデータを学習するのか?
Googleは、Geminiのような生成AIモデルを改善するために、ユーザーの入力やフィードバックを匿名化・集約したうえで活用することがあります。ただし、API利用とWeb UIでは扱いが異なります。
1.2 学習対象になるケース
- Gemini Web(https://gemini.google.com)で直接入力した内容
- Gemini APIのデフォルト設定
1.3 学習対象にならないケース
- 明示的に「学習しない設定」にした場合
- 特定の法人プランや制約付きアカウント
2. Web版Geminiで学習させない設定方法
2.1 設定画面での変更手順
- Gemini設定ページ にアクセス
- 「Gemini Appsのアクティビティ」オプションをオフに
これにより、Webでの入力履歴がGoogleのAI学習に使用されなくなります。
2.2 利用時の注意点
- 履歴がオフになると、以前のチャット履歴も表示されなくなる
- 完全な非学習には法人利用またはAPI側の制御が有効
3. Gemini APIで学習させない方法
3.1 ヘッダー設定による制御
Gemini APIでは、明示的に「データを学習に使わない」と指定することができます。
例: Pythonでの設定
import google.generativeai as genai
genai.configure(api_key="YOUR_API_KEY")
model = genai.GenerativeModel("gemini-pro")
response = model.generate_content(
"あなたの名前は何ですか?",
generation_config={"temperature": 0.7},
safety_settings={"use_user_data": False} # ← 学習抑止フラグ
)
※ use_user_data=False
のようなパラメータは、将来的に変更される可能性があるため、公式ドキュメントを必ず参照してください。
3.2 利用規約とオプトアウト申請
一部の法人契約では、Googleとデータ使用についての個別契約を行うことで、完全に学習対象から除外される場合があります。
4. 個人情報を扱う際のベストプラクティス
4.1 データの匿名化
- 名前、メール、住所などはプロンプト内に含めない
- IDやトークンなどの機密情報はダミー値に置き換える
4.2 セッションの管理
- Web版では定期的にログアウトまたは履歴削除
- API利用時にはログファイルを保管しない設定にする
5. まとめ
Geminiを安全かつ効果的に使うには、「学習対象にさせない」ための設定が非常に重要です。特にビジネスや機密情報を扱う場合は、Web設定の見直しやAPIのパラメータ管理を徹底しましょう。
安全に使うための3原則:
ポイント | 解説 |
---|---|
設定を確認 | Geminiの学習設定をオフにする |
APIヘッダー | use_user_data をFalseにする |
機密情報の除去 | 実名・個人情報は送らない |
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