ADetailer完全攻略:Stable Diffusion手・顔・体の補正術10選

画像生成AI

Stable Diffusionで人物画像を生成するとき、手や顔、体の歪みが気になったことはありませんか?
そんなときに力を発揮するのが ADetailer です。拡張機能として後処理で細部を補正できるこのツールは、生成画像のクオリティをプロレベルに引き上げてくれます。
この記事では、ADetailerの基本的な使い方から、 精度を高める10の補正テクニック を徹底解説します。


目次

  1. ADetailerとは何か?
  2. ADetailerを使う前の準備
  3. 補正できる箇所とその精度
  4. おすすめの顔補正設定
  5. 手の歪みを直すプロンプト例
  6. 複数人物に対応する設定方法
  7. LoRAとの併用で補正力アップ
  8. 正面以外の顔補正のコツ
  9. 体全体のバランスを取る工夫
  10. 高速&高精度化する実践テク

1. ADetailerとは何か?

ADetailerは、生成された画像に対して“部分的な再生成”を行う拡張ツールです。顔や手、体の一部を検出し、その範囲にのみ再度画像生成を適用することで、 違和感の少ない自然な仕上がり を可能にします。Stable Diffusion Web UI(AUTOMATIC1111版)に導入することで利用できます。


2. ADetailerを使う前の準備

以下の前提条件を満たしておくと、スムーズに使えます。

項目詳細
Stable Diffusion Web UIAUTOMATIC1111版
ADetailer拡張機能Extensionからインストール
検出モデルface_yolov8n.pt などを使用
生成モデル1.5系でもSDXLでも可

3. 補正できる箇所とその精度

ADetailerは以下の部位に対応しています。

  • 顔(目・口・輪郭など)
  • 手(指の本数・形)
  • 胴体(バランス補正)

補正対象の検出にはYOLOベースのモデルが使われ、 高精度で位置を特定 できます。ただし複雑な背景や複数人物がいると誤検出のリスクもあるため、後述する設定が重要になります。


4. おすすめの顔補正設定

設定項目推奨値
Detection modelface_yolov8n.pt
Adetailer modelAnything v3.0など(生成モデルに合わせる)
Mask blur4〜8
Denoising strength0.3〜0.5
Inpaint method“Whole picture”

補正のポイント

  • ノイズ除去強度は高すぎると破綻するため控えめに
  • 輪郭が崩れないようMask blurで自然な境界を作る

5. 手の歪みを直すプロンプト例

以下のようなプロンプトを「ADetailerのプロンプト欄」に入れると補正が成功しやすくなります。

perfect hands, five fingers, detailed fingers, symmetrical fingers, photorealistic hands

ネガティブプロンプトにも注意を払いましょう。

missing fingers, fused fingers, extra digits, distorted hands

6. 複数人物に対応する設定方法

デフォルトでは最初に検出された1人のみが補正対象になりますが、「Max number of detections」を増やすことで複数人に適用可能です。

項目設定例
Max number of detections3(必要な人数に応じて調整)
Apply for each person separatelyチェックを入れる

これにより、個々の顔や手がそれぞれ補正され、自然な集合写真も可能になります。


7. LoRAとの併用で補正力アップ

LoRA(Low-Rank Adaptation)モデルを併用すると、手や顔の描写力が格段に向上します。以下のようなLoRAを導入することでADetailerの補正結果もより洗練されます。

  • realistic hands LoRA
  • anime face fix LoRA
  • SDXL realistic detail boost LoRA

8. 正面以外の顔補正のコツ

顔が横を向いている場合、正確に検出されないことがあります。その際は以下の対策が有効です:

  • Detection modelをface_yolov8m.ptなど精度の高いものに切り替える
  • 検出スコア閾値を 0.2〜0.3 に下げて再検出を促す
  • min size を調整して小さな顔にも反応するようにする

9. 体全体のバランスを取る工夫

体のバランス補正には「body」検出モデルを使います。ただし、体全体の補正は破綻しやすいため以下の工夫が必要です。

  • Denoising strengthは0.2以下で様子を見る
  • Inpaint only masked を選択し、周囲を維持する
  • 背景や衣服に関するプロンプトも加えて安定化を図る

10. 高速&高精度化する実践テク

ADetailerは便利ですが、再生成が多いため時間がかかるのがネックです。以下の工夫で高速化できます。

方法内容
GPUメモリを節約batch sizeを1に固定、VRAM省略構成にする
解像度を事前に下げる初期生成時の画像を768×768に制限
Quick preview用設定Denoising strength を0.2にして粗確認する

まとめ

ADetailerはStable Diffusionにおける画像補正の「仕上げの一手」として非常に強力です。特に人物の手や顔、全身のバランスに違和感があるときは、手間を惜しまず丁寧に設定することで、 プロレベルの画像生成 が実現できます。

AIアートをもっと美しく、リアルに。
ADetailerを使いこなして、あなたの作品を次のステージへ進化させましょう。

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