Stable Diffusionは、今や画像生成AIの代名詞。背景や衣装だけでなく、「顔」だけを狙って変更したいというニーズも急増しています。しかし、思い通りの「顔」を作るには、ただプロンプトを入れるだけでは難しく、ちょっとしたコツやツールの活用が鍵を握ります。
この記事では、「顔だけ」を的確にコントロールするための実践的なAI活用術5選を紹介します。プロンプト技術からマスク編集、LoRA(学習済みモデル)まで、一般にはあまり語られない重要ポイントも網羅しています。
1. 顔の特徴を細かく指定するプロンプト設計
Stable Diffusionはテキスト情報に忠実ですが、曖昧な指示では思い通りに顔を変えられません。
✅ 有効なキーワード例:
項目 | キーワード例 |
---|---|
顔の輪郭 | sharp jawline, round face, chiseled features |
表情 | gentle smile, serious look, surprised face |
目の特徴 | heterochromia, large eyes, almond-shaped eyes |
肌の質感 | freckled skin, porcelain skin, aged skin |
📌ポイント
- 優先度の高い特徴から順に書く(例:”portrait of a young woman, sharp jawline, green eyes”)
- 逆に入れたくない特徴は
Negative prompt
に明記(例:”old face, blurry face, deformed eyes”)
2. 顔だけ修正したいなら「inpainting(インペインティング)」が最強
すでに生成された画像の「顔部分だけ」変更したい場合は、inpainting機能が非常に便利です。
🛠おすすめツール:
ツール名 | 特徴 |
---|---|
AUTOMATIC1111 Web UI | マスクの自由描画・精度調整が可能 |
RunDiffusion | ブラウザだけで簡単にinpaintingできる |
🎯使い方の流れ:
- 元画像を読み込み
- 顔部分にマスクを描画
- 変更したい顔の特徴をプロンプトに記述
- 顔だけが自然に置き換わる
3. LoRAモデルで好きな「顔のタイプ」を取り込む
LoRA(Low-Rank Adaptation)モデルを使えば、有名人・アニメキャラ・理想の顔タイプを学習済みのパターンとして活用できます。
🔍使い方:
- Hugging FaceやCivitaiから好みのLoRAをダウンロード
- プロンプトで
“<lora:model_name:1.0>”
のように記述 - 他の顔特徴と併用してカスタマイズ可能
🌟注目のLoRAカテゴリ:
タイプ | モデル例 |
---|---|
韓国風アイドル | k-idol-face-lora |
アニメ顔(デフォルメ) | anime-cute-face-lora |
写実的ハリウッド顔 | hollywood-face-v2-lora |
4. ControlNetの「顔ポーズ制御」で自然な変化を実現
顔だけを変えてもポーズや視線がチグハグだと違和感が出ます。ここで活躍するのがControlNetのOpenPose
やFace Landmark
です。
💡できること:
- 正面→斜め横向きの顔に変化
- 微笑み→真顔への切り替え
- 視線や首の傾きまで調整可能
🧩導入のヒント:
- AUTOMATIC1111にControlNet拡張機能を追加
- 顔ランドマーク画像をアップロード
- 顔の構図や向きをコントロール
5. 顔だけAIで変えたいなら「顔認識ベースのリファレンス画像」も有効
他人の顔をベースにしたいときは、リファレンス画像(顔の画像)を読み込ませる画像参照プロンプトが有効です。
🖼ツール例:
ツール名 | 特徴 |
---|---|
InvokeAI | 顔認識と比較に強い |
Fooocus | 高速&簡易操作が可能 |
⚠注意点
- リファレンス画像と似すぎると「著作権や肖像権」の問題が出るため、自作素材がベスト。
- 学習済みの人物顔は
dreambooth
で登録して使うのも◎
まとめ:顔を変えるなら「部分特化+補助ツール」が鉄則
Stable Diffusionで「顔だけ」思い通りに変えるには、以下のような多層的なアプローチが必要です。
🧠活用術5選のまとめ
活用術 | 一言ポイント |
---|---|
① プロンプト設計 | 顔の特徴を具体的に指定 |
② inpainting活用 | 顔だけピンポイントで修正 |
③ LoRAモデル導入 | 理想の顔をモデルで再現 |
④ ControlNet連携 | 視線・角度・表情を操る |
⑤ リファレンス活用 | 顔のベースを画像で指定 |
顔の生成は「運」ではなく「技術」です。
こうしたノウハウを組み合わせることで、あなたの理想の1枚は確実に近づきます。
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