はじめに
AWS CLI(コマンドラインインターフェース)を使って、Amazon S3のファイルを効率的に管理することができます。その中でも最も基本でありながら強力なコマンドが aws s3 ls
です。本記事では、aws s3 ls
の基本から応用までを、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
1. aws s3 ls コマンドとは?
aws s3 ls
は、Amazon S3 バケットおよびその中のオブジェクトを一覧表示するコマンドです。
aws s3 ls
このコマンドだけで、現在のAWSアカウントで利用可能なバケット一覧が表示されます。
2. 基本的な使い方
2.1 バケットの一覧を表示する
aws s3 ls
出力例:
2024-04-10 15:00:00 my-sample-bucket
2024-03-12 11:25:30 my-archive-bucket
2.2 バケット内のファイル一覧を表示
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/
出力例:
2024-04-10 15:10:05 1024 image.png
2024-04-10 15:11:30 20480 data.csv
2.3 特定のディレクトリ配下のファイルを表示
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/images/
ポイント:S3は厳密にはフォルダ構造を持ちませんが、擬似的にディレクトリとして扱えます。
3. 応用的な使い方
3.1 再帰的に表示(--recursive)
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/ --recursive
バケット内の全階層のファイルを一覧表示できます。
3.2 合計サイズを取得(--summarize)
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/ --recursive --summarize
ファイル数や合計サイズのサマリが表示されます。
出力例:
2024-04-10 15:10:05 1024 image.png
...
Total Objects: 4
Total Size: 12345678
3.3 日付順に並べて確認(ローカルコマンドと併用)
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/ | sort
LinuxやMacでは sort
を使って並べ替え可能です。
4. 知っておきたいオプション・注意点
4.1 リージョンの指定
CLIの設定と異なるリージョンにバケットがある場合、うまく表示されないことがあります。 その場合は、環境変数か --region
オプションで指定しましょう。
aws s3 ls s3://my-sample-bucket/ --region ap-northeast-1
4.2 認証情報の確認
AWS CLIの設定が正しく行われていないと、aws s3 ls
は機能しません。 事前に下記コマンドで確認しましょう:
aws configure list
5. トラブルシューティング
- “Unable to locate credentials” エラー → 認証情報が設定されていない。
aws configure
で設定。 - “AccessDenied” エラー → 対象バケットにアクセス権がない。IAMポリシーを確認。
6. まとめ
aws s3 ls
コマンドは、S3の中身を手早く確認するのに非常に便利なツールです。基本的な使い方だけでなく、再帰表示やサマリ取得などのオプションを活用することで、さらに強力な管理が可能になります。AWS CLIに慣れる第一歩として、ぜひマスターしておきましょう。
コメント