はじめに
Stable Diffusionは、テキストプロンプトから高品質な画像を生成できる強力な生成AIツールです。しかし、2人の人物を「明確に」「個別に」描写するのは初心者にとって難易度が高いポイントです。本記事では、Stable Diffusionで2人のキャラクターをしっかり描き分けるための具体例とテクニックを紹介します。
1. 基本の考え方:二人を描くプロンプトの構造
Stable Diffusionにおいて、複数人を同じ画面に描く際には「構造」と「順序」が非常に重要です。
1.1 一般的な構文例
A young woman with short hair in a red dress, standing next to an old man with glasses in a gray suit, both in a city street at sunset.
このように、「人物Aの特徴 + next to + 人物Bの特徴」の形で構成します。
1.2 必須要素
- 明確な区別ポイント(性別、年齢、服装、髪型など)
- 位置関係の指定(left, right, standing next to, in front of, etc.)
- 環境描写(混乱を避けるため背景も明確に)
2. 実践プロンプト例と解説
2.1 正しく描き分けられるプロンプト
A teenage girl with long blue hair wearing a white school uniform, standing on the left, and an elderly man with a beard in a brown kimono on the right, traditional Japanese street background, 8k, highly detailed.
解説
- 髪の色・服装・年齢などで差別化
- 左右の位置指定が明確
- 背景も統一されており、全体の絵が整理されている
2.2 よくある失敗例
Two people in a street.
このような曖昧なプロンプトでは、
- 2人とも似たような見た目になる
- どちらがどちらか不明確
- 表情やポーズに個性が出ない
3. 上級者向け:Negative PromptとControlNetの活用
3.1 Negative Prompt
描きたくない要素を明確に除外できます。例:
low quality, blurry, both people wearing the same clothes
3.2 ControlNetでポーズや構図を固定
ControlNetを使うと、あらかじめ用意したポーズ画像に合わせて、2人を異なる立ち位置や構図で描けます。
- OpenPoseでポーズを指定
- Cannyで背景とキャラの輪郭をコントロール
4. カスタムモデル・LoRAの導入も効果的
人物を明確に描き分けたい場合、LoRA(Low-Rank Adaptation)などのモデルを用いて、
特定のキャラクター性や衣装を強調することが可能です。
4.1 LoRA導入例
- 一人目は「魔法少女LoRA」
- 二人目は「侍LoRA」
このように別々のLoRAを重ねることで、個性を強調できます。
5. まとめ
Stable Diffusionで二人を明確に描き分けるためには、
- 特徴をしっかり差別化する
- 位置関係をプロンプトに明記する
- 必要に応じてControlNetやLoRAを活用する
以上のポイントを意識することで、生成される画像の精度が大きく向上します。プロンプト技術は試行錯誤が大切なので、ぜひ実践しながらスキルを磨いてください。
コメント